このクラスには同じ人間しかいない。
みんなみんな、自分を持たずに強いものにぶら下がっているだけの存在。
それが、同じように笑っている。

ケタケタケタケタ。
まるで狂ったように笑い続けている。

途端に吐き気がこみ上げてきた。
気持ち悪い。

この教室にいる全員が、気持ち悪い。
立ち上がり、トイレへ向かおうとすると由奈が足をひっかけてきた。

私は派手に転んで両手を地面につく。
手のひらがジンジンと傷んで、なぜかグルグルとメマイまでしてきた。
ダメだこのままではここで吐いてしまう。

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
四つん這いの状態になった私の目の前に由奈の足が見えた。
その足がゆっくりと持ち上がる。

そのまま降ろされれば私の右手は踏みつけられることになる。
危険を察知しているのに、メマイがひどくて動けない。

グラグラ揺れる視界の中、同じじゃない顔が近づいてきた。