そんなのは嫌だった。
奇跡みたいに巡り会えた私達なら、きっとなんでも乗り越えていくことができる。
今はそう信じていたかった。


「お願い司。私明日からはちゃんと学校へ行く。司にも叔母さんにも心配かけないって約束するから」

「あいつらを顔を合わせても平気なの?」

「大丈夫! だって、このまま泣き寝入りなんて嫌だもん。私、もう1度頑張る」


1度は剛へ向けて気持ちをぶちまけたんだ。
今度だってできるはず。
そして今度こそ、なにかを変えて見せる。


「……わかった。美保がそこまで言うなら僕はもうなにも言わない。ただ約束して? 無理だけはしないで」

「うん。わかった」


私はこぼれ出てしまいそうな涙を力まかせに押し込めて頷いたのだった。