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私も手伝って作ったいちごのショートケーキはまぁまぁの出来栄えだった。
飾り付けを素人の私がやったので見た目はイマイチになってしまったけれど、味は抜群だ。


「おいしい。美保はなんでも作れるんだね」


ケーキを口に頬張ってそういう司に「ほとんど叔母さんが作ったんだよ」と返す。
私はまだ、そこまでの腕前は持っていない。
ケーキなんて作ったのはこれが初めての経験だった。


「だけどすごく美味しいよ。おかわり!」


一切れをあっという間に食べ終えて叔母さんへ向けて空のお皿を差し出す。


「あらあら、もう食べたの? お腹を壊すんじゃない?」


そう言いながらも叔母さんも嬉しそうだ。
私も自分の分のケーキはすぐに食べ終わってしまって少し物足りない気持ちになる。

叔母さんお手製の生クリームはサッパリとしていて、しつこくなく、いくらでも食べられてしまいそうだ。
私もおかわりともらおうと椅子から立ち上がった、そのときだった。

パリンッと大きな音がして3人は同時に振り向いていた。
そこには大きな窓があり、閉めていたはずなのに今は風でカーテンが揺れている。

窓の近くの床には大きな石が転がっていて、窓が割られたのだと気がついた。
サッと血の気が引いていくのを感じる。


「危ないから下がって」