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「昨日、夕方くらいに家に帰っている安納高校の生徒たちを見かけたのよ」
それは司の叔母さんと一緒にケーキを作っているときに、何気なく言われた一言だった。
私はクリームを泡立てる手を止めて叔母さんを見つめる。
サングラスを外している叔母さんは、いつものように穏やかな表情を浮かべている。
「それはきっと先輩です。先輩たちは、いつも通り授業があるので」
毎日のように午後になるとここへやってきている私はできるだけ平静を装って受け答える。
「そうなの。そういうときもあるのね?」
「はい」
私は自然に見えるように叔母さんから視線を外して頷いた。
再びクリームの泡立てに集中しようとするけれど、うまくいかない。
カチャカチャとボールと泡立て器がぶつかりあう音が、やけに大きく聞こえてくる。
「それならいいんだけれど、美保ちゃんが学校でなにかあったのかもしれないって、司もずっと気にしているのよ」
午後からここへ通う日は一週間ほど前から続いている。
「昨日、夕方くらいに家に帰っている安納高校の生徒たちを見かけたのよ」
それは司の叔母さんと一緒にケーキを作っているときに、何気なく言われた一言だった。
私はクリームを泡立てる手を止めて叔母さんを見つめる。
サングラスを外している叔母さんは、いつものように穏やかな表情を浮かべている。
「それはきっと先輩です。先輩たちは、いつも通り授業があるので」
毎日のように午後になるとここへやってきている私はできるだけ平静を装って受け答える。
「そうなの。そういうときもあるのね?」
「はい」
私は自然に見えるように叔母さんから視線を外して頷いた。
再びクリームの泡立てに集中しようとするけれど、うまくいかない。
カチャカチャとボールと泡立て器がぶつかりあう音が、やけに大きく聞こえてくる。
「それならいいんだけれど、美保ちゃんが学校でなにかあったのかもしれないって、司もずっと気にしているのよ」
午後からここへ通う日は一週間ほど前から続いている。