そもそも剛はイジメを裏で誘導しているような最低な人間だ。
比べるまでもないことだった。

私は司の薄い胸板に自分の頬を寄せる。
トクトクと規則正しい心音が聞こえてきて心地いい。

司は少し緊張しているのか背中を伸ばして私の頭に手を置いた。


「ちょっとだけ、こうしていて」


私はそう呟いて、目を閉じたのだった。