中から叔母さんが出てきてくれて、私を見て驚いた様に「まぁまぁ!」と、声を上げる。
それもいつもと変わらない様子で、ホッと胸をなでおろした。


「最近来ないから、どうしたのかと思ってたのよ」

「……すみません」

「司となにかあった?」


玄関を入ったところで叔母さんが振り向いてそう聞いてきた。
私は目を合わせることができない。


「いえ……」

「まぁいいわ。あまり詮索しないでおきましょう。だけど司がなにか悪いことをしたのなら、ちゃんと言ってね? 私が叱っておくから」


叔母さんは拳を作って殴るポーズをしてみせる。
私はようやく笑顔を浮かべることができた。

それから1人で司の部屋に向かい、ベッドに座っている司と向き合った。


「久しぶりだね」


司の頬はいつもより赤く、高揚している。
声のトーンも高かかった。
それほど私を待っていてくれたのだと思うと、また涙がでそうになったから、慌てて力を込めてひっこめた。


「ごめんね。最近ちょっと忙しくて」