勉強のため?
親を安心させるため?
それとも……。

自問自答する中、舞子が私の隣を通り過ぎていった。
朝の舞子は1人だ。


「舞子!」


咄嗟に呼び止めた。
舞子が足を止めて、ゆっくりと振り向く。

その表情はどこか気まずそうで、立ち止っても私と目を合わせようとしない。


「……なに?」

「あの……謝りたくて。私、隠してたつもりじゃなくて!」


舞子に手を伸ばして腕をつかもうとするけれど、振り払われてしまった。
舞子がハッとした表情を浮かべ、次に泣きそうな顔になる。
なんで?

なんで舞子が泣きそうな顔をするの?
私が黙っていたことで、そこまで傷つけてしまったの?

うつむいた舞子が私の足元を見つめる。