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その日は上履きにラクガキをされていた。
イジメられるようになってから3足目の上履きだった。
「ラクガキならまだ平気。洗えばいいだけだし」
自分にそう言い聞かせて、来客用のスリッパを履いて教室へ向かう。
階段を上がる足取りは重たくて、他の生徒たちに次々追い越されてしまう。
「おはよっ!」
「おはよー!」
あちこちから聞こえてくる元気な声を聞くだけで、私の胃はシクシクと痛みを感じる。
挨拶の声の中に私をイジメているメンバーのものがあるんじゃないかと、自然と身構えてしまうからだ。
階段を上がりきったとき、私の息は上がっている。
今までこんなことは1度もなかったのに、ここへ来るまでに体力を使い果たしてしまう。
けれどまだ1日は始まってもいないのだ。
これから長い長い1日が始まるのだと思うと自然と寒気が這い上がってくる。
どうしてここまでして私は学校へ来ているんだろう。
その日は上履きにラクガキをされていた。
イジメられるようになってから3足目の上履きだった。
「ラクガキならまだ平気。洗えばいいだけだし」
自分にそう言い聞かせて、来客用のスリッパを履いて教室へ向かう。
階段を上がる足取りは重たくて、他の生徒たちに次々追い越されてしまう。
「おはよっ!」
「おはよー!」
あちこちから聞こえてくる元気な声を聞くだけで、私の胃はシクシクと痛みを感じる。
挨拶の声の中に私をイジメているメンバーのものがあるんじゃないかと、自然と身構えてしまうからだ。
階段を上がりきったとき、私の息は上がっている。
今までこんなことは1度もなかったのに、ここへ来るまでに体力を使い果たしてしまう。
けれどまだ1日は始まってもいないのだ。
これから長い長い1日が始まるのだと思うと自然と寒気が這い上がってくる。
どうしてここまでして私は学校へ来ているんだろう。