唯一の心の拠り所まで失ってしまった。
もう二度と、今の状況が変わらない限りは公園のフェンスにもたれて司と会話することはできない。
悲しさと切なさがこみ上げてきて涙が滲んでくる。

今まで我慢していたものが結界したように頬を流れる涙。


「うわ。こいつ泣いてるんだけど」


由奈が軽蔑するような声を上げる。
その時一瞬だけ、目の端で舞子の顔が見えた。

舞子がなにか言いたそうにしているけれど、結局なにも言わずにいつものように教室を出ていく。
私は下唇を噛み締めたまま涙を流す。

黙って、涙を流す。