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孝明は私が屋敷へ出入りしていることが噂になっていると言っていたけれど、それに関して話し掛けられることはそれ以外にはなかった。
ハッタリでもかましてきたんだろう。


(美保、今日もお疲れ様)


少しだけ心がささくれだっていたので、司の声を聞くと安心する。
私は公園のフェンスにもたれかかって目を閉じた。
こうして視界を遮って島会ったほうが司の声をしっかりとくきことができる。


(司も、お疲れ様)

(僕はずっとベッドに横になってるから、そんなに疲れてないよ)


少し自虐的なそのセリフに軽く笑ってあげる。
司は疲れていないというけれど、今日もオンラインで勉強をしているはずだ。


(今日の学校はどうだった? 楽しかった?)

(うん、楽しかったよ)


そう返事をしてすぐに孝明に言われた魔女という言葉を思い出してしまって胸の奥に黒いモヤが立ち込める。
孝明には叔母さんの病気のことをちゃんと説明したほうがいいんだろうか。
でも、それは私の勝手な判断でできることではない。


(本当に?)


疑うような声色で聞かれてドキッとする。