☆☆☆

どうしよう、絶対に怪しまれた……。
もっと上手にごまかすことができればよかったのだろうけれど、咄嗟のことでできなかった。
私の反応を見た剛は余計に怪しんだことだろう。


(お疲れ様。学校どうだった?)


公園付近にやってきて司に呼び止められた。
私はフェンスに寄りかかって盛大な溜息を吐き出す。


(なにかった?)

(実はね……)


つい先程の出来事を説明すると司は(そんなに気にすることないと思うよ)と、言ってくれた。


(そうかなぁ)


剛のことも気になるけれど、司の存在を隠すようなことをしてしまったことも気がかりだった。
司の声色はなにも変わらないけれど、もしかしたら不快な気持ちになっているかもしれない。