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自室へ戻った私はベッドにダイブしてスマホを確認した。
母親の心配はどうにか払拭できたけれど、問題はまだ残っていた。

スマド画面には舞子からのメッセージが届いていて、花火大会に行かないかという誘いが書かれていたのだ。
私はベッドの横の壁に貼り付けてあるカレンダーへ視線を向けた。

花火大会は次の日曜日に開催される。
今日は木曜日だから、3日後だ。

花火は見に行きたい。
でも、脳裏に浮かんでくるのは司の姿だった。

司は家から出られないから、花火会場に行くことができない。
つまりその日は司に会うことができないということだ。

ここ最近毎日会いに行っているせいか、司に会えないとなると心の中がむずむずして感じられる。


「どうしよう……」


私はベッドの上で身悶えする。
花火大会はいつも友達と一緒に行っていた。

今年もきっとそうなるだろうと思っていたけれど、司を置いて楽しみ気にはなれない。
なにかいい打開策はないだろうか。
悶々と考えているうちにいつの間にか私は眠りに落ちてしまったのだった。