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それから夕方になるまで司と一緒の時間を過ごして、私は屋敷の玄関先へとやってきていた。
「これ、残りものだけど持って帰ってね」
叔母さんが準備してくれた白い箱の中にはカットされた3つのタルトが入っている。
「わぁ! 叔母さんのタルト絶品だから嬉しいです!」
きっと、両親も喜んで食べてくれると思う。
そう伝えると叔母さんも嬉しそうにサングラスの下の目を細めた。
そしてなにか言いにくそうにもじもじしはじめる。
「どうしたんですか?」
「ごめんね。こうして司に友達が来るなんてこと本当になくて……だから、嬉しくて」
叔母さんの声が震える。
サングラスでハッキリとは見えないけれど、目に涙が溜まっているのが想像できた。
「そんな。私なんて司にいろいろ教えてもらってばかりですから」
歴史小説の面白さを教えてくれたのも司だし、普段読まない本に触れさせてくれたのも司だ。
私はなにもしていない。
「できれば、毎日でも遊びに来てね。迷惑なんかじゃないから」
それから夕方になるまで司と一緒の時間を過ごして、私は屋敷の玄関先へとやってきていた。
「これ、残りものだけど持って帰ってね」
叔母さんが準備してくれた白い箱の中にはカットされた3つのタルトが入っている。
「わぁ! 叔母さんのタルト絶品だから嬉しいです!」
きっと、両親も喜んで食べてくれると思う。
そう伝えると叔母さんも嬉しそうにサングラスの下の目を細めた。
そしてなにか言いにくそうにもじもじしはじめる。
「どうしたんですか?」
「ごめんね。こうして司に友達が来るなんてこと本当になくて……だから、嬉しくて」
叔母さんの声が震える。
サングラスでハッキリとは見えないけれど、目に涙が溜まっているのが想像できた。
「そんな。私なんて司にいろいろ教えてもらってばかりですから」
歴史小説の面白さを教えてくれたのも司だし、普段読まない本に触れさせてくれたのも司だ。
私はなにもしていない。
「できれば、毎日でも遊びに来てね。迷惑なんかじゃないから」