私が司の家に向かったのは夏休みの2日目のことだった。
昨日は通学していないから司と会話もしていない。

1日間が開いただけで、やけにソワソワした気持ちになってしまう。
私は鏡の前で念入りに自分の姿を確認した。

今まで司に会う時は制服姿だったけれど、休み中まで制服を着ることはできない。
したがって、今日からは自分がどれだけ可愛く見えるかの勝負だった。

今日は水色のボーダーTシャツに白いパンツをあわせた。
かごバッグにはお礼にと購入した本が入っている。


「別に、変じゃないよね?」


玄関先の鏡の前で何度もクルクルと回って見る。
髪の毛も夏らしくアップにして、今日はアクセサリーはつけなかった。

シンプルで爽やかでいいんじゃないかな?
自分で自分に納得したところで、時間がきた。

「よし、行こう」
私は自分に言い聞かせるように呟いて家を出たのだった。