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夏休みに入る前日。
教室で成績表を受け取った私は思わずその場で小躍りしてしまいそうになった。

5段階評価ですべての科目が4か5になっている。
たいていいつも2か3ばかりだったので、何度も成績表を見直すことになった。


「美保、夏休みはどうするの?」


まぁまぁの成績だったようで、舞子がそう声をかけてきた。
舞子も今回補習を免れることができたようで、表情が浮かれている。


「時間があるなら、遊びにいかない?」

「そうだね。たぶんあると思うけど……」


答えながら脳裏に浮かんできたのは司の顔だった。
夏休み中、どれくらい司と会うことができるだろう。

一ヶ月近くあるのだから、半分くらいは会いに行きたいな。
勉強を教えてもらったお礼もしたいし。


「美保?」


つい、司のことを考えてボーっとしてしまっていた。
私は慌てて笑顔を作って「暇なときに連絡するね」と、言ったのだった。