《優大くんおはよう!》
【おはようございます。
昨日は李湖ちゃん、さつまいもを一人で二本食べてましたよ。お腹いっぱいでご飯が食べられなくて霞湖ちゃんに怒られていました。】
《李湖の野菜好き、たぶん楓湖ちゃんのご両親からの遺伝……ちなみに僕は肉が好きです!
機会があったら焼肉行こう!}
【霞湖ちゃんも誘ってならいいですよ。
疲れはたまっていませんか?
暑かった疲れも出てくると思いますが】
《李湖も連れて行かないと楓湖ちゃんに怒られちゃうね
僕は基本的にオールシーズン対応人間だから元気だよ!》
【羨ましいです。
俺は少し疲れてて、のどをやられ気味です】
《のど痛かったらマヌカハニーがいいって楓湖ちゃんが言ってたと思う
不調が出たときは休むんだよ?
優大くんのことだから無理して学校へ行きそう
霞湖に止めるように言っておくから》
【ありがとうございます。
学校休むほど体調悪いわけじゃないんで、霞湖ちゃんにへんなこと吹き込まないでください】
《そう? まあ、お互い気を付けて今日も行って来よう!》
【はい。
いってらっしゃい】
《行ってきます!
優大くんも行ってらっしゃい~》
「………」
以上が、今朝の霞湖ちゃんのお父さん――ケージさんとのやり取りだ。
ケージさん、朝からテンションたけえ……。
楓湖と書いて『ふうこ』さんと読むのが、霞湖ちゃんのお母さんの名前だ。
そして俺は、なんで好きな子のお父さんと、好きな子よりも高頻度で返答の量も多い通信をしているんだ?
時々浮かぶ疑問。
「……ま、楽しいからいっか」
今日もこの疑問は、この答えに落ち着く。