「まあ……そう……」

「なんっかお前らしくねーな」

「こ、こういう恋愛話苦手なんだよおおおお! 國陽くんに逢うまで男として生きてたんだから!」

「じゃあデバガメすんなよクソ女」

ため息とともに言えば、斎月は両手で頭を押さえて真っ赤な顔で「う~っ」とうなっていた。

……まじで何しに来たんだ? てめえの地雷踏み抜くためにわざわざ来たのか?

「なあもう帰ってくんね?」

「それは無理。仕事でこっちに用事あったから」

即座に復帰した斎月は、『大和先生』の顔だった。

「じゃあはい、もう解散で」

「ここまで連れてきたの優大だろ」

「今すぐお前の首絞めていいか?」

「かわして優大の額に膝蹴り」

「俺死ぬじゃん」

「うん」

……美形が台無し無惨なセリフ過ぎる。

「お前もっと言動に注意しろ! ゆくゆくは司の女主人になんだぞ!?」

「花嫁修業満点でクリアしてる」

「そうだったな! クソッ」

神様、こいつは世紀の大間違い傑作でしょうか。泣きたい。