『水束さんいた
 保健室』


女子の一人からの連絡に心底安堵した。

そっか……保健室か……。思わず、足から力が抜けてその場にへたりこんでしまった。

「優大!? どうした」

「ごめ、ちょっと安心して……」

近くを探していた友達に心配されて、顔を隠すように額に手をやった。

「まあ、そうだよな。……ん?」

数秒空けて、みんなの携帯電話に二通目のメッセージが届いたようだ。俺もまた目をやる。


『今、誰とも話したくないみたいって先生から言われたから
 このまま教室に戻るね
 水束さんのカバンは保健室に持って行っておくから』


誰とも……。そこを凝視していると、そのメッセージに男子から、


『わかった
 見つかってよかった』


『了解。
 ありがと。』


『俺たちも教室もどる
 みんなおつかれ』


と、何件か返事が入った。

……誰も、俺を責めなかった。

責められた方がよかったって、こういうときに思うもんなんだ……。