「私……ですか?」
「そう。――霞湖ちゃん、改めて言います。どうか、俺と一緒にいてください。友達という形ではなく、いずれは、結婚という形をとって」
いつかの先は、一生を隣にいる約束をするような関係を俺は望んでいる。
霞湖ちゃんは軽く首を傾げた。
「……それだけで、いいんですか?」
「え……と、」
「優大くんの気持ちが知りたいです。じゃないと私が先に言っちゃいますよ?」
真っすぐな眼差しで言われて、俺はちょっとだけ誤魔化すように手を口元にやった。
少しの恥ずかしさを逃がすために。
気持ち……そうだ、肝心なのは、きっとそれだ。
望む関係性ばかりを伝えるのでは、なく。
軽く咳ばらいをした。
「……霞湖ちゃんが、好きです。どうか俺と、付き合ってください」
「はい。私も優大くんが好きです。どうぞ、よろしくお願いします」
その、嬉しそうな顔を見て。
今日までこの言葉を取っておいて良かったと思った。
愛しい君への、俺に出来るせいいっぱいの、愛の言葉。
……照れる。
「……司の家のことは、少しずつ話すね」
「はいっ」
無理。照れる。笑顔、可愛すぎ。
END.