―――俺が頼った人から来た返事も、國陽から聞いたものと同じだった。

「うーん、どうすっかなー」

これは簡単に踏み込める世界じゃない。

今まで國陽の関係で色々な世界に首を突っ込んできたけど、これはかなり扱いが難しい。

生徒会室でひとりうなっていると、斜め向かいの席から睨まれた。

「優大。お前、生徒会に入る話蹴っておいて居座るってどういうつもりだよ」

厳しいことを言ってきたのは、一つ年上の先輩で、小学校から一緒の架城律(かじょう りつ)。

生徒会副会長で、一学期に俺を生徒会に誘った人でもある。

土日は國陽関係の用事で忙しいし、平日も出来るだけ時間は空けておきたかったから、生徒会に入る話は断った。

中学のときも誘われていたんだけど、同じ内容で断っている。

「会長が休憩に使っていいって言ってくれたから」

小学校からの仲なので、律は先輩だけど敬語は使ったことがない。

律が許してくれているのもある。

会長はあわよくば勧誘、みたいなつもりで言ったようだけど、俺は好き勝手居座っているだけで生徒会には入っていない。

「じゃあもうお前、生徒会入れよ。何気に俺らの仕事手伝ってんだから」

「無理だよ。何度も言うけど、学校の通常以外に時間取られたくない」

じゃあ手伝うなや、と言われた。

別に手伝っているとかいうわけではなくて、考え事をするときに手を動かしている方が落ち着くというタイプだからというだけだ。

今、生徒会室には俺と律しかいない。

うちの生徒会の仕事は普段、放課後に行っている。

昼休みに俺が生徒会室に考え事をしにきたら、昨日の仕事が残っていたという律がいたのだ。

「で? 今の悩み事はなんだ。お前の家の話なら相談も乗れねーけど」

律は、俺の父親が議員をやっていると知っている。

かなり特殊な家柄の司家の議員ということで、置かれるSPなどは、実家には一切置いていない。

だから、知っているのはごくご近所さんだけで、律はそのご近所さんの一人だ。

小学校の頃はクラスに知っている友達もいたけど、色んな場所から集まる高校にもなれば、同級生に知っている人はいないだろう。

律に答える。

「いや、今回はクラスのこと。昨日、うちのクラスに転校生きたの知ってる?」

「一応把握してる。先生から、事情のある子だから気にかけてやってくれって言われてる――って、なんでお前が落ち込むんだよ」

机に顔面を押し付ける。そっかー。生徒会に入っていればそういう情報は入ってきていたのか……。

「ちなみにどういう事情かは知ってるの?」