「え?」
「どうかした?」
今、何かとても嫌な気配が感じられた気がしたが。
気のせいだったようだ。
「いえ、なんでも。それで薬の件なのですが、私はやはり鳳魅さんには生きていて欲しいんです。だから鳳魅さんが私達や他の妖のために命を捧げるというのでしたら私が貴方に命を注ぎます」
邪気を無くして自身の命を救うのと同時に鳳魅さんも救う。
救ってみせる。
それがいつまでかかるかは正直まだ分からない。
これといった計画の見通しも定まってなどいない。
それでもやれるだけやってみたい。
私がここで出来ること。
それはきっと誰かのために頑張ること。
「はは、僕を救ってくれるのかい⁈ははは、それは何とも頼もしいねぇ。ただ成功するとは限らないよ?僕だってまだまだ研究段階だ」
「重々承知してます。でもどうかお願いします。私は貴方に生きる価値を与えたい」
何とか救いたい。
いい人ほど死んでいく、だからこそ。
「…なるほど、利害一致の関係か。お互いの目標に向かってそれぞれが納得のいく生き方をする、ね。いいよ!」
「え、いいんですか⁈」
まさかOKを出されるとは正直思っていなかった私はその言葉に動揺する。
出会って経った数時間しか話していない仲だというのに本当にいいのだろうか。
「…本当にいいのですか?」
「ああ、君ならいい。それに…君なら何かを変えてくれそうだからね♡」
「変える?何をですか?」
「さあ~先のことはまだ分からないさ。気ままにいこう。今ある時間を大切にね。明日からまた来なよ」
よく分からないが交渉成立ってことでいいのか?
「お世話になります!明日から宜しくお願い致します」
「ん、宜しく~♡あ、あとそれ。その敬語。今から禁止ね」
「え、で、でも。あ…分かり…わ、分かった」
謎に圧が強い鳳魅さんに私は渋々折れれば答えた回答。
彼はそれに満足げに頷いた。
ーシャ~
「あ、白蛇さん!」
さっき拾ってきた白蛇さんは元気になったのか私のところまで近づいてくる。見れば不思議なことに怪我していた部位が綺麗に治っていた。
蓮池の力って凄い…。
「お、治ったみたいだね。もう連れて帰っても大丈夫だよ」
「本当⁈ありがとう。じゃあ連れて帰っ「おい鳳魅!」!!」
時雨の声を遮るようにしてガラリと開いた玄関。
「…は?なんでお前が鳳魅んとこにいんの⁈」
「あ、白夜様…先程ぶりですね」
開いたドアから入ってきたのはなんと白夜様だった。
白夜様は私の存在を確認し私の側でニヤニヤと笑う鳳魅さんの姿を捉えると、この状況に整理が追いついていないのか停止したまま立ち尽くしてしまった。
ガブリ‼
「いっ!」
「「!!」」
そんな白夜様を周りが固唾を呑んで見守っていれば、突如手に持っていた白蛇さんは私の左腕に嚙みついた。
だが次の瞬間にはスルスルと私の腕に巻き付く。
この一連の行為に私は思考が停止したまま動けなくなってしまった。
え?か、嚙まれた?
え…ちょっと待って。
毒とかないよね?
あったとしたら私どうなっちゃうの?
「はあー!!噓だろ…。なんでよりにもよってソイツなんだよ!」
「おやおや、これは!まあま、そう怒んないの」
急に怒り始めた白夜様を鳳魅さんは笑いながら宥める。
何が何だか分からずに取り残された私に白夜様はずんずんと迫るとその左腕を掴んだ。
「うわぁ~マジかよ…。よりによってここでコイツに決めるとか。マジで鬼畜すぎんだろ」
「気に入ったってことだよ。おっかな~い若様より、その子だって優しい時雨ちゃんの方がいいもんね♡」
「あ゛ぁ゛?」
おお怖い怖いとおちょくる鳳魅さんとキレまくる白夜様だが今の私はそれどころではない。
「あ、あの!気に入ったとは一体何のことでしょうか?」
「はぁ。お前のことをコイツが気に入っちまって、お前に加護を与えたんだよ」
「加護?」
「コイツは神獣つって神に使える使い魔なんだよ。だから普通の生き物とは全くもってレベルが違う。心から仕えたいと思う相手に嚙みついて契約をする。その契約者がお前なの」
ほおほお成程。
ん?ということは、えーっとだから、、、。
「な、なんで私なんですか!!」
「知るかそんなこと!そもそも最初にコイツを見つけたのは俺だったんだぞ。そこは普通に考えて俺だろうが!」
怒っているせいか私を掴む手に段々と力が込められていく。
メチャクチャ痛い。
後で赤くなっていないければいいのだが。
「も~、そんな横暴な態度だから若は好かれないだよ~。そもそも君はそんだけ強い妖力持ってんだから加護の必要なんてないでしょう」
「うっせぇ。でもコイツだけは絶対にねぇと思ってたのに」
白夜様はぎろりと私を睨み付ける。
身長が高いせいか私とかなり身長差がある。
上から睨み付けられると随分迫力があって自然と体が動かない。これが俗に言う蛇に睨まれた蛙。
「まあでも、今回は時雨ちゃんに感謝しなよ?その子を救ったといっても過言ではないんだから」
「は?コイツが⁈」
鳳魅さんの言葉に怒りから一変、白夜様は驚いた顔でこちらを見つめた。
「どうかした?」
今、何かとても嫌な気配が感じられた気がしたが。
気のせいだったようだ。
「いえ、なんでも。それで薬の件なのですが、私はやはり鳳魅さんには生きていて欲しいんです。だから鳳魅さんが私達や他の妖のために命を捧げるというのでしたら私が貴方に命を注ぎます」
邪気を無くして自身の命を救うのと同時に鳳魅さんも救う。
救ってみせる。
それがいつまでかかるかは正直まだ分からない。
これといった計画の見通しも定まってなどいない。
それでもやれるだけやってみたい。
私がここで出来ること。
それはきっと誰かのために頑張ること。
「はは、僕を救ってくれるのかい⁈ははは、それは何とも頼もしいねぇ。ただ成功するとは限らないよ?僕だってまだまだ研究段階だ」
「重々承知してます。でもどうかお願いします。私は貴方に生きる価値を与えたい」
何とか救いたい。
いい人ほど死んでいく、だからこそ。
「…なるほど、利害一致の関係か。お互いの目標に向かってそれぞれが納得のいく生き方をする、ね。いいよ!」
「え、いいんですか⁈」
まさかOKを出されるとは正直思っていなかった私はその言葉に動揺する。
出会って経った数時間しか話していない仲だというのに本当にいいのだろうか。
「…本当にいいのですか?」
「ああ、君ならいい。それに…君なら何かを変えてくれそうだからね♡」
「変える?何をですか?」
「さあ~先のことはまだ分からないさ。気ままにいこう。今ある時間を大切にね。明日からまた来なよ」
よく分からないが交渉成立ってことでいいのか?
「お世話になります!明日から宜しくお願い致します」
「ん、宜しく~♡あ、あとそれ。その敬語。今から禁止ね」
「え、で、でも。あ…分かり…わ、分かった」
謎に圧が強い鳳魅さんに私は渋々折れれば答えた回答。
彼はそれに満足げに頷いた。
ーシャ~
「あ、白蛇さん!」
さっき拾ってきた白蛇さんは元気になったのか私のところまで近づいてくる。見れば不思議なことに怪我していた部位が綺麗に治っていた。
蓮池の力って凄い…。
「お、治ったみたいだね。もう連れて帰っても大丈夫だよ」
「本当⁈ありがとう。じゃあ連れて帰っ「おい鳳魅!」!!」
時雨の声を遮るようにしてガラリと開いた玄関。
「…は?なんでお前が鳳魅んとこにいんの⁈」
「あ、白夜様…先程ぶりですね」
開いたドアから入ってきたのはなんと白夜様だった。
白夜様は私の存在を確認し私の側でニヤニヤと笑う鳳魅さんの姿を捉えると、この状況に整理が追いついていないのか停止したまま立ち尽くしてしまった。
ガブリ‼
「いっ!」
「「!!」」
そんな白夜様を周りが固唾を呑んで見守っていれば、突如手に持っていた白蛇さんは私の左腕に嚙みついた。
だが次の瞬間にはスルスルと私の腕に巻き付く。
この一連の行為に私は思考が停止したまま動けなくなってしまった。
え?か、嚙まれた?
え…ちょっと待って。
毒とかないよね?
あったとしたら私どうなっちゃうの?
「はあー!!噓だろ…。なんでよりにもよってソイツなんだよ!」
「おやおや、これは!まあま、そう怒んないの」
急に怒り始めた白夜様を鳳魅さんは笑いながら宥める。
何が何だか分からずに取り残された私に白夜様はずんずんと迫るとその左腕を掴んだ。
「うわぁ~マジかよ…。よりによってここでコイツに決めるとか。マジで鬼畜すぎんだろ」
「気に入ったってことだよ。おっかな~い若様より、その子だって優しい時雨ちゃんの方がいいもんね♡」
「あ゛ぁ゛?」
おお怖い怖いとおちょくる鳳魅さんとキレまくる白夜様だが今の私はそれどころではない。
「あ、あの!気に入ったとは一体何のことでしょうか?」
「はぁ。お前のことをコイツが気に入っちまって、お前に加護を与えたんだよ」
「加護?」
「コイツは神獣つって神に使える使い魔なんだよ。だから普通の生き物とは全くもってレベルが違う。心から仕えたいと思う相手に嚙みついて契約をする。その契約者がお前なの」
ほおほお成程。
ん?ということは、えーっとだから、、、。
「な、なんで私なんですか!!」
「知るかそんなこと!そもそも最初にコイツを見つけたのは俺だったんだぞ。そこは普通に考えて俺だろうが!」
怒っているせいか私を掴む手に段々と力が込められていく。
メチャクチャ痛い。
後で赤くなっていないければいいのだが。
「も~、そんな横暴な態度だから若は好かれないだよ~。そもそも君はそんだけ強い妖力持ってんだから加護の必要なんてないでしょう」
「うっせぇ。でもコイツだけは絶対にねぇと思ってたのに」
白夜様はぎろりと私を睨み付ける。
身長が高いせいか私とかなり身長差がある。
上から睨み付けられると随分迫力があって自然と体が動かない。これが俗に言う蛇に睨まれた蛙。
「まあでも、今回は時雨ちゃんに感謝しなよ?その子を救ったといっても過言ではないんだから」
「は?コイツが⁈」
鳳魅さんの言葉に怒りから一変、白夜様は驚いた顔でこちらを見つめた。