数分後、時雨が一息ついたタイミングでお香がお盆片手に戻ってくる。
「疲れているでしょう。今日は時間ももう遅いですし。体にはあまり刺激を与えないよう軽いものをお召し上がり下さい」
差し出されてのは梅おにぎりと温かい緑茶だった。
酸味の効いたカリカリ梅の食感と温かい茶が疲れた体によく染みる。
とても美味しかった。
「美味しい!」
「ホントですか⁈良かった~!!実は台所でこそっと握って持ってきたものなんです。それを聞いて一安心です」
「お香さんがわざわざ⁈ありがとうございます」
誰かにご飯を作って貰ったのなんて初めてだ。
嬉しさと空腹もあってかパクパクと食べてしまった。
そんな時雨に笑いながら茶のお変わりを注ぐお香。彼女もまた綺麗な顔をしているな~なんて、時雨が見ていれば目が合ってしまう。
「どうかしましたか?」
「あ、すみません。綺麗な顔をしているものですからつい、、」
「私が?」
お香はそれに目をパチクリさせればやがて可笑しそうに笑い出す。
「時雨様は面白い方ですね!まあ鬼頭家に仕える身としては、他の妖よりも顔に自信は多少なりともございますが」
人間特有の血色のいい肌とは違い、妖は全体的に色白い肌をしていた。
おまけに容姿も人間とは違い整った者も多い。
「ですが若様には誰も敵いませんよ。あの方は妖の中でも一番と言っていいほど美しさに勝りますから」
確かにあの人は凄かった。
白い髪、綺麗な顔立ち。
歩くオーラでさえ、目を奪われてしまうほどの輝きだったのを覚えている。
「あ、そうそう、若様のことでしたね。純血の意味を知りたいと」
「はい」
「ん~そうですね。ではまず、時雨様は現世と隠世の歴史をご存知ですか?」
「三大術家・妖家におけることの経由なら少しだけ」
「それが分かっているのでしたら話が早いです!まずここ・隠世は鬼神が始まりと言われています」
「鬼神?」
鬼神って鬼の神様ってこと?
「その昔、鬼神は隠世の世界を作れば多くの妖が生まれました。当時、鬼神には百の瞳を体に持ち、その瞳には百年の未来を見通す不思議な力があったとされています。妖達からは百目鬼神様と呼ばれ、今でも深く崇拝されています」
百目鬼神か。
一つの瞳で一年の未来を予測し、それが百にもなれば百年後の未来までも予測する。
そうして妖からは信仰され、時にそれは神として、また始まりの妖としても崇拝されていた。
「因みに隠世を治める妖王様は、そんな百目鬼神の血を受け継いだ直系子孫でもあります」
「では妖王様は百目鬼の妖で?」
「そんなとこです。まあでも鬼神様とは訳が違います。未来を見通す能力は鬼神様が亡くなられてからというもの、今まで誰一人として王家の方が継承出来たことはありません。やはり神と妖とでは生きる次元が違うのでしょう」
隠世の始まりは一人の鬼神が生み出した世界。
妖は人間が生きる年数を遥かに超え寿命も長い。
もしかしたら、隠世は現世の世界が誕生するずっと前から存在していたのではないだろうか。
「あの…王家の方は鬼の妖なのですよね?では鬼頭家が鬼の妖なのも何か繋がりがあったりとかするんですか?」
「勿論御座いますよ。元々、鬼頭家は王家がいくつかの段階を経て派生しできた一族の一つです。言わば王家とは遠い親戚のようなもの。中でも一際妖力に勝り、強い子孫を輩出していたウチに妖王は目を付け、三大妖家としてのお役目をお与えになられたのですよ」
そうだったのか。
まさか鬼頭家が王家と親戚だったとは、、、。
「疲れているでしょう。今日は時間ももう遅いですし。体にはあまり刺激を与えないよう軽いものをお召し上がり下さい」
差し出されてのは梅おにぎりと温かい緑茶だった。
酸味の効いたカリカリ梅の食感と温かい茶が疲れた体によく染みる。
とても美味しかった。
「美味しい!」
「ホントですか⁈良かった~!!実は台所でこそっと握って持ってきたものなんです。それを聞いて一安心です」
「お香さんがわざわざ⁈ありがとうございます」
誰かにご飯を作って貰ったのなんて初めてだ。
嬉しさと空腹もあってかパクパクと食べてしまった。
そんな時雨に笑いながら茶のお変わりを注ぐお香。彼女もまた綺麗な顔をしているな~なんて、時雨が見ていれば目が合ってしまう。
「どうかしましたか?」
「あ、すみません。綺麗な顔をしているものですからつい、、」
「私が?」
お香はそれに目をパチクリさせればやがて可笑しそうに笑い出す。
「時雨様は面白い方ですね!まあ鬼頭家に仕える身としては、他の妖よりも顔に自信は多少なりともございますが」
人間特有の血色のいい肌とは違い、妖は全体的に色白い肌をしていた。
おまけに容姿も人間とは違い整った者も多い。
「ですが若様には誰も敵いませんよ。あの方は妖の中でも一番と言っていいほど美しさに勝りますから」
確かにあの人は凄かった。
白い髪、綺麗な顔立ち。
歩くオーラでさえ、目を奪われてしまうほどの輝きだったのを覚えている。
「あ、そうそう、若様のことでしたね。純血の意味を知りたいと」
「はい」
「ん~そうですね。ではまず、時雨様は現世と隠世の歴史をご存知ですか?」
「三大術家・妖家におけることの経由なら少しだけ」
「それが分かっているのでしたら話が早いです!まずここ・隠世は鬼神が始まりと言われています」
「鬼神?」
鬼神って鬼の神様ってこと?
「その昔、鬼神は隠世の世界を作れば多くの妖が生まれました。当時、鬼神には百の瞳を体に持ち、その瞳には百年の未来を見通す不思議な力があったとされています。妖達からは百目鬼神様と呼ばれ、今でも深く崇拝されています」
百目鬼神か。
一つの瞳で一年の未来を予測し、それが百にもなれば百年後の未来までも予測する。
そうして妖からは信仰され、時にそれは神として、また始まりの妖としても崇拝されていた。
「因みに隠世を治める妖王様は、そんな百目鬼神の血を受け継いだ直系子孫でもあります」
「では妖王様は百目鬼の妖で?」
「そんなとこです。まあでも鬼神様とは訳が違います。未来を見通す能力は鬼神様が亡くなられてからというもの、今まで誰一人として王家の方が継承出来たことはありません。やはり神と妖とでは生きる次元が違うのでしょう」
隠世の始まりは一人の鬼神が生み出した世界。
妖は人間が生きる年数を遥かに超え寿命も長い。
もしかしたら、隠世は現世の世界が誕生するずっと前から存在していたのではないだろうか。
「あの…王家の方は鬼の妖なのですよね?では鬼頭家が鬼の妖なのも何か繋がりがあったりとかするんですか?」
「勿論御座いますよ。元々、鬼頭家は王家がいくつかの段階を経て派生しできた一族の一つです。言わば王家とは遠い親戚のようなもの。中でも一際妖力に勝り、強い子孫を輩出していたウチに妖王は目を付け、三大妖家としてのお役目をお与えになられたのですよ」
そうだったのか。
まさか鬼頭家が王家と親戚だったとは、、、。



