嵐が過ぎ去ったかのような出来事に動けないでいれば、深夜は「はぁ…」っと溜息をこぼす。
「息子がすまない…。分かっていると思うが、アレが息子の白夜だ。本来なら息子自らが鬼門の地へそなたを迎い入れる筈だったのだが…見ての通り息子はああでな」
「…苦労されているのですね」
「私だけでなく家の者も手を焼いてる始末だ。自分勝手な性格のせいか、いつも問題を起こしてはこちらの意見に応じない。それでも王に次いで強い妖力を持つ手前、周りも邪険に扱うことが出来ず困っているところだ。そなたには何かと迷惑をかけるかと思うが、ここは一つ、仲良くしてやってはくれぬか」
美しいだけでは収まらない。
少し会っただけなのに…あの顔が忘れられない。
深夜の話から察するに、何もあの性格は時雨一人に向けられていた訳ではないと分かり一安心だ。
「わ、私なんかで務まるのでしたら…精進して参ります」
慌ててペコリを頭を下げれば深夜は笑っていた。
「はは、そなたは優しいな。今まで来た娘達とは大違いだ」
「…今まで?過去に久野家の方がいらっしゃったのですか?」
「先代の代に何度か、私が当主になってからも一人ぐらいは来たか、、、。だが私は花嫁を娶ってはおらぬ。鬼頭の分家にあたる家へ送り出した。あの頃は白夜もまだ生まれてなかったし。あの子の母親は生まれて直ぐ亡くなっている」
「そうでしたか…」
なんだか申し訳ない事を聞いてしまったような気がする。
久野家の人間はやはりここに?
過去の花嫁達がどうなったかは聞かされていないが、探せば生きているかもしれない!
「母親がいない分、厳しく育て過ぎた自覚はある。だがいずれは鬼頭の上に立つ存在だ。今ぐらいは自由にさせてやろうと見守っているが…最近は親切心に欠けた部分が多く手に負えん」
疲れた顔で落胆する深夜。
すると外ではお香が顔を出した。
「お呼びでございますか」
「ああ、来たか。時雨さんを部屋へお連れしろ。疲れただろう。今日はゆっくり休むといい」
深夜は立ち上がれば部屋を退出する。
それを見送れば、横からはお香がササっと近づいてきた。
「参りましょう!お部屋へご案内致します」
「あれ?お香さん、なんか楽しそうですね」
どこか嬉しそうなお香に手を引かれれば、時雨もその場を後にした。
「息子がすまない…。分かっていると思うが、アレが息子の白夜だ。本来なら息子自らが鬼門の地へそなたを迎い入れる筈だったのだが…見ての通り息子はああでな」
「…苦労されているのですね」
「私だけでなく家の者も手を焼いてる始末だ。自分勝手な性格のせいか、いつも問題を起こしてはこちらの意見に応じない。それでも王に次いで強い妖力を持つ手前、周りも邪険に扱うことが出来ず困っているところだ。そなたには何かと迷惑をかけるかと思うが、ここは一つ、仲良くしてやってはくれぬか」
美しいだけでは収まらない。
少し会っただけなのに…あの顔が忘れられない。
深夜の話から察するに、何もあの性格は時雨一人に向けられていた訳ではないと分かり一安心だ。
「わ、私なんかで務まるのでしたら…精進して参ります」
慌ててペコリを頭を下げれば深夜は笑っていた。
「はは、そなたは優しいな。今まで来た娘達とは大違いだ」
「…今まで?過去に久野家の方がいらっしゃったのですか?」
「先代の代に何度か、私が当主になってからも一人ぐらいは来たか、、、。だが私は花嫁を娶ってはおらぬ。鬼頭の分家にあたる家へ送り出した。あの頃は白夜もまだ生まれてなかったし。あの子の母親は生まれて直ぐ亡くなっている」
「そうでしたか…」
なんだか申し訳ない事を聞いてしまったような気がする。
久野家の人間はやはりここに?
過去の花嫁達がどうなったかは聞かされていないが、探せば生きているかもしれない!
「母親がいない分、厳しく育て過ぎた自覚はある。だがいずれは鬼頭の上に立つ存在だ。今ぐらいは自由にさせてやろうと見守っているが…最近は親切心に欠けた部分が多く手に負えん」
疲れた顔で落胆する深夜。
すると外ではお香が顔を出した。
「お呼びでございますか」
「ああ、来たか。時雨さんを部屋へお連れしろ。疲れただろう。今日はゆっくり休むといい」
深夜は立ち上がれば部屋を退出する。
それを見送れば、横からはお香がササっと近づいてきた。
「参りましょう!お部屋へご案内致します」
「あれ?お香さん、なんか楽しそうですね」
どこか嬉しそうなお香に手を引かれれば、時雨もその場を後にした。



