コーヒーショップは、涼みに来た学生たちでいっぱいだった。
なんとか空いていた席を確保して、ベンティサイズのパッションフルーツフラペチーノを仲良く飲む。


「そういえば、来月行きたいとこ決まった?」


程なくして飛んできた質問に、私は笑顔で頷く。


「うん。遊園地がいい」

「暑いのに遊園地? 水族館じゃなくて」

「いいの。付き合った記念日だから、今度はカップルとして行くんだもん」


私がつっけんどんに返すと、輝先輩は嬉しそうにしていた。


「わかった。じゃあ、遊園地な。でも、勉強もしっかりしろよ」

「わかってるもん」

「来年から同じ大学に通えるの、楽しみにしてるんだからな」

「ご心配なく。この間の模試の結果、オールAだったし」

「え、マジ?」

「マジ。めちゃくちゃ頑張ったもん」


模試の結果をドヤ顔で見せれば、輝先輩は心底驚いていた。


それもそのはず。
今年の春に受けた時には、C判定とD判定ばかりだったんだから。


勉強は苦手だけれど、予備校に通うようになって身が入るようになったし、なによりも目標ができたからしっかりと頑張れるようになった。
もっとも、彼と同じ大学に通いたいというのが一番のモチベーションになっているのは内緒だけれど。