お参りする人たちの列に並んで、輝先輩と肩を並べる。


(輝先輩の受験が上手くいきますように。あと……ちゃんと仲直りできますように)


五円のお賽銭でふたつも願い事をするのは、図々しかったかもしれない。
そう思ったけれど、神頼みしたくなった。


屋台で適当に食べたいものを買って、近くにある公園に行くことにした。
途中、コンビニで温かいフルーツティーとカフェオレも調達したけれど、公園に着く頃には少しだけ冷めていた。


「さっむ……!」

「どこか室内に行く?」

「でも、これ食べてからじゃないとなぁ。カラオケも漫喫も持ち込みできないし、そもそも混んでて入れなさそうだし。とりあえず冷める前に食べようか」

「そうだよね」


首を竦めながら頷き、近くにあったベンチに座る。
まだ温かいたこ焼きを半分ずつ食べて、冷めたフランクフルトとベビーカステラを仲良く分けると、空腹はだいぶ落ち着いた。


このままどこかに移動するべきかと考えながらも、行き先が思い浮かばない。
手持ち無沙汰のようにペットボトルを握っているだけ。


すっかり温くなったフルーツティーと同じように、きっと彼のカフェオレも冷めてしまっているに違いない。