「あー、うん。そうだよな」
しん、と静かになる。
ゴンドラの中に響く遊園地のテーマソングと、窓を揺らす微かな風の音。
それらが急に大きくなったように思うほど、私たちの間には会話が消えた。
「……なんか言ってよ」
「や、わかってるんだけどさ……今さら緊張してきたんだよ」
「わ、私だって恥ずかしいんだけど!」
「俺の方が恥ずかしいよ。人生初の告白だったし」
「……私も告られたのなんて初めてだし」
お互いに目が合わなくて、見もしない景色に視線を遣る。
ちらりと見た輝先輩が真っ赤で。
私もまた、頬どころか顔中が熱かった。
「……付き合ってくれる?」
「……うん」
ぎこちない空気の中、私たちの関係性が変わっていく。
先輩と後輩で、親友じゃなかったけれど友達みたいで。
だけど、男子と女子で。
色々言えそうだった私たちの関係が、たった今、〝恋人〟になった。
「やば……。恥ずかしくて死にそう」
「私だって恥ずかしくて死ぬ」
とっくに頂上を過ぎていたゴンドラは、もうすぐ降り場に着いてしまう。
ゆっくりと下降する間、私たちは視線が合わないように示し合わしているのかと思うほど、お互いに違う方向を見ていた。
「ん」
だけど、ゴンドラを降りて観覧車乗り場から少し離れた時。
「え?」
彼が左手を差し出してきた。
しん、と静かになる。
ゴンドラの中に響く遊園地のテーマソングと、窓を揺らす微かな風の音。
それらが急に大きくなったように思うほど、私たちの間には会話が消えた。
「……なんか言ってよ」
「や、わかってるんだけどさ……今さら緊張してきたんだよ」
「わ、私だって恥ずかしいんだけど!」
「俺の方が恥ずかしいよ。人生初の告白だったし」
「……私も告られたのなんて初めてだし」
お互いに目が合わなくて、見もしない景色に視線を遣る。
ちらりと見た輝先輩が真っ赤で。
私もまた、頬どころか顔中が熱かった。
「……付き合ってくれる?」
「……うん」
ぎこちない空気の中、私たちの関係性が変わっていく。
先輩と後輩で、親友じゃなかったけれど友達みたいで。
だけど、男子と女子で。
色々言えそうだった私たちの関係が、たった今、〝恋人〟になった。
「やば……。恥ずかしくて死にそう」
「私だって恥ずかしくて死ぬ」
とっくに頂上を過ぎていたゴンドラは、もうすぐ降り場に着いてしまう。
ゆっくりと下降する間、私たちは視線が合わないように示し合わしているのかと思うほど、お互いに違う方向を見ていた。
「ん」
だけど、ゴンドラを降りて観覧車乗り場から少し離れた時。
「え?」
彼が左手を差し出してきた。