「そういえば、結菜ちゃん」


 一輝くんか拓生くん。
 二人のどちらでもいい。
 してほしい、会話を。

 そう思っていると。
 拓生くんが口を開いてくれた。


 そんな拓生くんに『ありがとう‼』。
 感謝をした、心の中で。


「もうすぐテストだね。
 いつものように一緒にテスト勉強しよう。
 今回も俺の家でいいでしょ」


 やっと始まる、会話が。

 そう安堵した。
 のも束の間。


 拓生くんが話し始めた会話。

 それは。
 今、話をするには相応しくない内容。







 せっかく話をしてくれた。
 その拓生くんには申し訳ない。
 そう思うのだけど。

 正直なところ。
 その内容は困ってしまう。


 だって。
 一輝くんも一緒にいるから。





 一輝くんの私に対する気持ち。
 それを知りながら。
 一輝くんの目の前。
 そこで他の男の子の家に行くという話。
 できない、それは。


 だけど。
 そうすると。
 今度は拓生くんの方に失礼になってしまう。

 今までは普通に拓生くんの家でしていた。
 拓生くんと一緒にテスト勉強を。
 それなのに。
 急に態度を変えてしまう。
 そうしたら。
 とても悪い、拓生くんに。



 そうなると。
 どういう返答が正解なのか。
 とても悩む。


 だけど早く返答しないと。
 申し訳ない、拓生くんに。