って。
 そんなことを考えている場合ではなかった。







 私と一輝くんが一緒に暮らしている。
 そのことを知ってしまった拓生くん。

 そんな拓生くんになんて言えばいいのか。
 まずはそれを考えなくては。


 とはいっても。
 なかなか思い浮かばない、良い言葉が。



 こうしている。
 その間にも。
 だんだんと包まれてきてしまった、微妙な空気に。


 なんとも重苦しい空気。

 耐え難い。
 この空間にいる。
 そのことが。





 だけど。
 しなければ、なんとか。
 この重苦しい空気を。


 とはいっても。
 一体どうすれば。



 困っている。
 なかなか思いつかなくて。
 良い方法が。



「結菜ちゃん、
 一緒に暮らしているのって
 確か同級生の女の子だったはずじゃ……」


 考えよう、なんとか。
 良い方法を。

 そう思い。
 考えている、必死に。


 そのとき。
 言ってくれた、拓生くんが。
 良いヒントとなる言葉を。



 その方法。
 それを使えば。

 なんとか修正できる。
 その可能性が。


「そうだよ、女の子の友達と暮らしてるよ。
 一輝くんが加わったのは今年の四月から。
 一輝くんは一緒に暮らしている女の子の弟なの」


 希望。
 それをもって話をした、拓生くんに。

 こう言えば、なんとか誤魔化せそうかな……?