「一輝も私たちと同じ高校に入学するのならちょうどいい。
 一輝が結菜と二人で暮らしたらどうかなということになったのよ」


「そんなにサラッと言わないでよ‼」


「なんでよ、そんなに驚くこと?」


「驚くよっ。
 同じマンションで私と一輝くんが二人で暮らすなんてっ」


「何か問題?」


「大問題じゃない‼
 男子と女子が同じ部屋で一緒に暮らすなんてっ」


「何言ってるのよ。
 結菜も昔はよく一輝と遊んでたでしょ」


「一緒に遊んだだけと暮らすことを一緒にしないでよ‼
 それに一緒に遊んだって言っても、
 私が小学生の頃のことで。
 小学校卒業してからは
 一緒に遊んだ記憶がないくらい
 一輝くんとは交流がなかったんだだから‼」


「大丈夫よ。
 あいつだったら二人で暮らしても何も問題ないと思うよ」


 何も問題ないって……。


「だから、ね」


『ね』って、彩月~。



「でも」


「でも?」


「彼氏さんと同居すること、
 おばさんとおじさん、よく許したね」


「あ~、そうだった。
 そのことで結菜にお願いがあるんだけど」


 え。


「お願い?」


「そうお願い」


 それは。

 一体何をお願いされるのだろう。