一輝くんの部屋に入り。
すぐに一輝くんのベッドに下ろされた。
そのあと一輝くんもベッドに上り。
一輝くんに覆いかぶされる。
そのような状態に。
「一輝くんっ?」
「結菜ちゃん」
やっと一輝くんが口を開いた。
「その男友達に
どこ触れられたの?」
え。
「結菜ちゃん、教えてよ」
一輝くんが。
「どこも触れられてないよ」
「うそ」
違う。
「噓じゃないよ」
いつもの。
優しい一輝くんじゃ。
「……再現、しよっか」
いつもの優しい一輝くん。
その一輝くんとは違い、別人のよう。
戸惑っている、そのことに。
そのとき。
また言った、一輝くんが。
意味がわからない言葉。
『再現』と。
再現、って?
どういう意味なの、一輝くん。
「結菜ちゃんが
その男友達に触れられたところを」
『再現』って。
そういう意味なの?
違う。
違うよ、一輝くん。
拓生くんとは何も……。
「ここ、とか」
一輝くんは、まず私の首筋に触れ。
そこにキスをした。
「違うよ、一輝くん」
そう言っても。
一輝くんは聞く耳持たず。
「こことかも」
一輝くんは首筋にキスをした後。
そっと私の髪に触れた。
「聞いて、一輝くん」
いくら言っても。
「ここもなんでしょ」
止めてくれない、一輝くんは。
私の髪に触れた後。
一輝くんは私の耳元に顔を近づけて。
やさしくフッと息を吹きかけた。
なぜだろう。
こんなときにでも。
一輝くんに触れられると。