「そんなことはないよ。
 結菜ちゃんはすごく可愛いよ」


 拓生くん?

 どうしたの?

 今日の拓生くん。
 やっぱり、いつもと違う。





 そう思っていると。

 拓生くんが私の方に急接近して。


 拓生くんの片手が触れた。
 私の頬に。



 その感触に驚き。
 下を向いていた顔を上げた。


 そうしたら。
 思った以上に急接近している。
 拓生くんの顔が。


「……もう……限界かな……」


 限界?


「俺、なかなか勇気が出なくて……
 ……結菜ちゃんに本当の気持ちを言えなかった」


 本当の気持ち?


「それを言ったことで、
 結菜ちゃんとの距離が離れてしまうかもしれない、
 そう思うと怖くて言えなかった」


 怖くて言えない?

 それは一体どんな内容なのだろう。