* * *


 放課後。



 拓生くんと待ち合わせている公園。
 そこへ向かっている。


 私と拓生くんが一緒に学校を出る。
 そうすると女子たちに見られて騒ぎになるかもしれない。

 なので。
 拓生くんと会う。
 そのときは学校の近くの公園で待ち合わせをしている。



 いつもより帰りが晩くなる。
 なので一輝くんにメッセージを送っておく。
【友達と一緒だから帰りは少し晩くなるね】と。



「拓生くん」


 公園に着いた。

 そのとき、すでに拓生くんはいた。


「ごめんね、
 待たせちゃったね」


「そんなことないよ。
 俺も来たばかりだから」


 やさしい笑顔の拓生くん。


「じゃあ、
 行こうか、結菜ちゃん」


「うん」


 公園を出て。
 十歩くらい歩いた。


「そうだ結菜ちゃん」


 そのとき。
 拓生くんが何かを思いついたように声を出した。


「なぁに、拓生くん」


 拓生くん、どうしたのだろう。


「図書館に行くのはやめて
 俺の家に来てよ」


 拓生くんが思いついた。
 それは。
 図書館から拓生くんの家に行く。
 という場所変更。


「拓生くんの家に?」


 戸惑っている。
 突然のことで。

 だから。
 表れてしまった。
 その気持ちが声のトーンに。



 戸惑った?

 ううん。
 それだけではない。


 たぶん。
 躊躇っている?

 拓生くんの家に行くこと。