この声は……。

 私と一輝くんは声がする方に振り向いた。


「彩月‼」


 やっぱり。
 声の正体は彩月だった。


 そして。
 彩月の隣に男の人が。

 もしかして、その男の人。
 彩月の……。


「偶然ね、
 一輝と結菜に会えるなんて」


 彩月は笑顔で一輝くんと私のことを見ている。


「そうだね」


 私も彩月と同じように笑顔になる。


「結菜、一輝」


 彩月は改めて私と一輝くんの名前を呼んだ。

 そのあと彩月は、隣にいる男の人の腕をぎゅっと掴んだ。


「紹介するね。
 夏川歩夢くん。私の彼」


 彩月は少しだけ照れている様子。

 だけど、ものすごく嬉しそうな笑顔をしている。



 やっぱり。
 彩月の隣にいる男の人。
 その人は彩月の彼氏さん。