そして見つめている、私のことを。



 一輝くんに見つめられ。
 恥ずかしい、ものすごく。

 だから。
 逸らしたい。
 一輝くんから目を。


 それなのに。
 どうしてだろう。

 できない、逸らすことが。
 一輝くんから目を。


「本当に可愛い、結菜ちゃん。
 こんなにも可愛い結菜ちゃんを誰にも渡したくない」


 一輝くん。

 そんなにドキドキさせないで。


 そうじゃないと。

 もたない、心臓が。



 そう思っていると。

 一輝くんの手が触れた。
 私の頬に、やさしく。


「結菜ちゃん」


 やさしい。
 一輝くんは声も。





 そう思っていると。
 一輝くんの唇が私の唇に……。



 それは。
 甘くて甘くて。
 とろけるような。

 一輝くんのやさしさ。
 それをを感じるキス。


 それは首筋や耳にも。







 夜。
 そのときと同じ。
 一輝くんの甘くてとろけるような。
 そんなキスに溺れそうになっている。


 溺れて。
 このまま戻って来られないくらいに……。



 ……あれ?

 一輝くん?


 突然、一輝くんが動きを止めた。