「結菜ちゃん」


 真っ直ぐに見つめる一輝くんの純粋過ぎるくらいの瞳。

 その瞳に見つめられている。
 そうすると。
 できない、逸らすことが。


 というか。
 思わない、そもそも。
 逸らそうとも。


「僕は
 ずっと前から
 結菜ちゃんのことが……
 ……好きだ」


 気付かなかった、全然。

 一輝くんの気持ち。


「ごめんね、結菜ちゃん」


「え?」


「なんか、こんな感じの告白になっちゃって」


 一輝くん。


「僕、本当はこういうの苦手で。
 どんな感じで告白をすればいいのか全然わからなくて」


 やっぱり。
 昔から変わらない、一輝くんは。

 純粋で。
 ちょっと不器用。
 そんなところとか。


 私が思っている一輝くん。
 そのままだ。

 それがすごく嬉しい。


「一輝くん」


「あっ、まだ返事は言わないで‼
 ゆっくりでいいから‼」


「違うよ、一輝くん、
 そうじゃなくて」


「え?」


「ありがとう」

 出てきた、自然に。
 その言葉が。


「僕の方こそ、ありがとう
 聞いてくれて」


 そのときに見せた。
 一輝くんのとびきりの笑顔。

 それは。
 あまりにも可愛くて。


 キュン。
 と、なった。


「あぁぁーっ」


 そのとき。
 何かに解放された。
 そんな感じになった一輝くんは身体を思いきり伸ばした。


 そのあと。
 もう一度、キュン。
 そうさせる、あの笑顔を見せた。


「さて。
 自分の気持ちを伝えて
 スッキリしたところで」


 ところで?

 どうしたの、一輝くん。