言い終わった、『1』と。

 その瞬間。
 大きく。
 そして美しく。
 打ち上がる花火たち。


 それと同時に。
 重なった、一輝くんの唇が私の唇に。



「……大成功」


 離れた、やさしく。
 私の唇から。

 いつものように。
 やさしい笑顔をしている、一輝くん。


「この場所で
 最初の花火が打ち上がる瞬間にキスをすると、
 その恋人たちは永遠に結ばれるんだって」


 純粋な子供のような笑顔の一輝くん。


「僕、
 結菜ちゃんと
 ずっとずっと一緒にいたい」


 一輝くんはそう言うと。
 たくさんの花火の花が咲いている夜空を見上げる。

 そのすぐ後。
 一輝くんは大きく息を吸い込み。


「僕、結菜ちゃんと結婚したいーーーっっ‼」


 花火の大きな音。

 混じっている、その音に。


 だけど。
 聞こえた、はっきりと。

『結婚したい』って。


「って、
 まだ先のことなんだけどね」


 照れている、一輝くん。



「一輝くん」


 嬉しい、すごく。

 一輝くんの気持ち。


 そのために。
 こんな素敵なサプライズを。