「もうすぐだ」


 数分経った。


 一輝くんの言葉を聞き。
 増してきた、緊張が。



 わからない、何があるのか。

 だから。
 気になる、余計に。


「結菜ちゃん、こっち向いて」


 グルグルとしている、頭の中で。
 何があるのかと。

 そのとき。
 突然、一輝くんがそう言った。


 わからない、何が何だか。
 そう思いながら。
 向く、一輝くんの方を。





 やさしい月明かり。
 その光に包まれるように。
 照らされている、やさしく。
 一輝くんの美し過ぎる顔が。

 合っている、目が。
 そんな一輝くんと。


 恥ずかしい。
 そんな気持ちになり。
 逸らそうとする、目を。
 一輝くんから。

 だけど。
 できない、そうすることが。

 まるで金縛りにでもあっているかのように。



 見つめ合っている、無言のまま。
 私と一輝くんは。


 止まっている、時が。
 そう思える。
 このときは。

 その時間は。
 なんだか特別で。

 異空間にいる。
 そんな感じがした。



「5」


 特別、時間も空間も。
 そう感じている。

 そんなとき。
 言った、数字を。
 一輝くんが。


「4」


 減った、数字が。
『5』から『4』に。

 これは。
 なんだろう。


「3」


 また減った。


「2」


 もしかして。

 している? カウント。


 だけど。
 何の?


「1……」


 ついに『1』。

 どうなるのっ⁉