思った、拓生くんのことを見ていて。
ううん。
それは前から思っていたこと。
だけど。
いいことなのか、今の私が望んで。
そのことを望んだら。
ずるい、のではないか。
本当は。
ずるいのだと思う。
だけど。
「拓生くん、あのね」
ずるい、やっぱり。
「これからも」
それでも。
「友達でいてくれる?」
ずっと、いたい。
友達で。
拓生くんと。
「結菜ちゃん」
拓生くんは少し驚いた表情をしている。
だけど。
すぐに寂しげな笑顔になった。
「確かに意外とスッキリしたとは言ったけど、
それは思ったよりスッキリしたというだけで、
結菜ちゃんにフラれたこと、
ショックじゃなかったわけではないから」
そう、だよね。
拓生くんの気持ち。
それを考えれば。
辛くて当たり前だ。
「これからも友達でいることは……」
だから。
覚悟、しないと。
「ちょっと難しいね」
していた、覚悟は。
だけど。
『難しい』
その言葉を聞くと。
やっぱりショックで。