「如月さんって、
 特進科で一年生の椎名一輝くんと付き合ってるの?」


 超えた、驚きを。

 そのせいか。
 真っ白、頭の中が。



 確かに。
 構えていた、ある程度。

 普段話をしないクラスメート。
 その人が話しかけてきた。
 その時点で。


 だけど。
 まさか。
 そんな話をしてくるとはっ。


「如月さん?」


 どうしよう。


 思いつかない。
 何を言えばいいのか。

 それに。
 できない、出すことが。
 声を。



 助けて~、彩月~っ。

 そう心の中で叫びながら。
 見る、彩月の顔を。


 彩月は察してくれたらしく。
 小さく頷いた。


「あのさ、宮下さん。
 その話、誰から聞いたの?」


 話しかけてくれた、彩月が。
 私の代わりに。


「去年、私と同じクラスだった子。 
 その子が言うには、
 今週の月曜日の夜、
 如月さんと椎名くんが
 二人きりで公園にいたらしいって」


 宮下さんは、さらに続ける。


「でも、
 その子も誰かから聞いて、
 それを私に教えてくれただけだから、
 誰が最初に話し出したかはわからない」


 そして。
 始める、宮下さんは。
 さらに驚きの話を。