「うん。
拓生くんに報告を済ませたら、
すぐに帰ってくるから」
一輝くんって。
「え~、なんで一緒に行ったらダメなの?
僕は結菜ちゃんのことが心配なのに」
小さい子供を一人でおつかいに行かせることが心配な保護者みたい⁉
「あっ、
そうだ」
一輝くん?
『そうだ』って。
一体何を思いついたの?
何を言うのだろう、一輝くんは。
そう思いながら。
待つ、次の言葉を。
「市条先輩と直接会うのは結菜ちゃん一人でということにして、
僕は少し離れたところから見守ってるから」
なんとっ‼
そうきましたかっ‼
「ねっ、結菜ちゃん、
それならいいでしょ」
やっぱり。
なっている、一輝くんは。
小さい子供の保護者に‼
って。
違う。
本当に小さい子供がおつかいに行って。
それを見守る保護者なら問題はない。
だけど。
一輝くんの場合。
少し離れたところから高校生の私を見守る。
それは。
見ようによったら。
ただの怪しい人‼