ダメ。


 どうしよう。

 止まらない、ドキドキが。



 ドキドキし過ぎて。
 響き渡りそう。
 静か過ぎる部屋に。


 恥ずかしい、ものすごく。

 そのため。
 熱くなっている、顔が。
 集中している、血液が顔に。
 そう思うくらいに。







 入り込んでいる、月明かりは。
 だけど。
 消えている、部屋の照明は。

 だから。
 わからないはず。
 真っ赤になっている、私の顔が。
 そのことは。





 だけど。

 やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。


 一輝くんにじっと見つめられ。
 ならないわけがない、恥ずかしく。



 耐えられない、そのことに。

 だから。
 逸らした、少しだけ。
 一輝くんから目を。


「可愛いよ、結菜ちゃん」


 一輝くんの甘い声。


 その声で。
 とろけてしまいそうになる。



 どうしよう。

 その声を聞く。
 それだけで、こんなふうになってしまっていたら。


 そう思っていたとき。