一輝くん。
いつの間に。
こんなにも頼もしくなったのだろう。
二・三年前までの一輝くんは。
お世辞にも頼もしいとは言えなかった。
だけど。
違う、今は。
なっている、すっかり。
頼りになる男の人に。
想う、一輝くんのことを。
その想い。
募らせていく、日に日に。
わかる、はっきりと。
そのことが。
一昨日よりも昨日。
昨日よりも今日。
一輝くんへの想い。
その想いは募るばかり。
これ以上、想いを募らせたら。
どうにかなってしまいそうなくらいに。
そう思い感じながら。
しがみつく、よりぎゅっと。
一輝くんに。
「結菜ちゃん、ほんと可愛い」
一輝くんはそう言い。
一輝くんの部屋に入っていく。
一輝くんは、私をそっとベッドに下した。
そのあと一輝くんもベッドに上がり。
私のことを覆いかぶさる。
私の真上にいる一輝くん。
消えている、部屋の照明は。
だけど。
見える、よく。
思ったよりも。
一輝くんの顔が。
月明かりで。
やさしい月明かりの光。
それによって見える一輝くんの顔。
美し過ぎてまぶしいくらい。
そんな一輝くん。
見つめている、じっと。
私のことを。
高鳴る胸の鼓動。
あまりにも高鳴り過ぎて。
心配なる。
心臓がもつかどうか。
感じたい、近くに。
一輝くんのことを。
だけど。
感じ過ぎる、近くに。
そうすると。
心臓がとんでもないことになりそうで。
それなら一体どうすればいいのだろう。