「どう? 眺めは」


「どう、って……」


 している、ドキドキ。
 一輝くんが近すぎて。

 だから。
 眺めどころではないんですけどっ‼


「僕は、すごくいい眺め。
 結菜ちゃんをすぐ近くに感じることができるから」


 やめて~っ‼ 一輝くんっ。
 そういうことを言うのは~っ‼

 恥ずかしいから~っ‼


「恥ずかしそうにしてる結菜ちゃん、
 すごく可愛い」


「一輝くんっ」


「ほんと可愛い、結菜ちゃん。
 そんなに可愛いと理性がどうにかなってしまいそう」


 一輝くんはそう言うと。
 テレビを消してリビングの照明を消した。


 その後すぐ。
 私の身体がふわっと浮いた。

 一輝くんはそのまま私を連れて。
 一輝くんの部屋へ。







 驚いている。

 素直におとなしくなっている。
 そんな自分に。


 たぶん。
 今までの私なら。

 びっくりして慌てて。
 暴れていたかもしれない。



 だけど。

 一輝くんと。
 恋人同士になった今は。





 一輝くん。

 なんか頼もしい。


 思う、改めて。
 男の子だな、やっぱり。



 男の子としての一面。
 そんな一輝くんのことを見る。

 そのたびに。
 一輝くんのことを男の子として。
 ううん。
 男の人として。
 どんどん意識していく。