「あとでたっぷりと可愛がってもらうから」


 一輝くんはそう言うと。
 私からやさしく離れて。

 私の頬にキスをした。



 ダメだ。


 まだお風呂に入っていない。

 それなのに。
 のぼせてしまっている、すっかり。

 一輝くんに。



 * * *


 入浴を済ませ。
 入った、リビングに。

 そのとき。
 ソファーに座ってテレビを観ていた一輝くんが私の方を見て。
 微笑んだ、やさしく。


「結菜ちゃん、おいで」


 一輝くんのやさしい声。

 その声に導かれるように。
 座る、一輝くんの隣に。


「結菜ちゃん」


 私の名前を呼んだ一輝くん。

 声のトーンからして。
 少しだけふてくされた感じに思える。


 浮かべた『?』を。
 一輝くんの様子に。


「結菜ちゃんが座るのはここでしょ」


 驚く、一輝くんの言葉に。
 そうする間もなく。

 浮いた、ふわっと。
 私の身体が。

 そうして。
 そのまま一輝くんの膝の上に。


 一輝くんの膝の上に座った。

 そうしたら。
 近づいた、一気に。
 一輝くんが。