「妬けた?」
「え?」
「僕が結菜ちゃん以外の女の子と二人きりでいたことに」
悔しい、すごく。
だけど。
今日の一輝くん。
勝てる気がしない、全く。
「……うん」
だから。
してやった、肯定。
そのときの一輝くんの表情。
ものすごく嬉しそうだった。
「理桜は、本当にただの友達だよ」
理桜ちゃん。
あの子、理桜ちゃんっていうんだ。
「それに理桜には、
ちゃんと他に好きな人がいるから」
え。
そうなの⁉
「僕と理桜と理桜の好きな人は
幼稚園の頃からの友達なんだ」
そうなんだ。
「もちろん小学校も中学校も一緒。
高校は別々になるかなと思ったら
高校まで一緒になって」
三人は幼なじみなんだね。
「今日は、理桜の好きな人の誕生日が近いから、
誕生日プレゼントを何にしたらいいのかわからなくて
相談したいから買い物に付き合って、と言われて。
その買い物に付き合っただけ」
そうだったんだね。
「理桜が好きなのは、
幼稚園の頃から、ずっとそいつだけ」
「理桜ちゃん、一途だね」
一輝くんからそう聞いて。
ものすごくほっとした。