「ふ～ん」


　なにが『ふ～ん』よ‼

　余裕ぶっちゃって‼


「結菜ちゃんが教えてくれないのなら」


　何よ‼

　一体何が言いたいの‼


「僕、
　これからも、その女の子と
　ずっと仲良くしちゃうけど」


「えぇっ⁉」


　しまった。

　つい反応してしまった。





　そのときの一輝くんの表情(かお)。

　確認してみた、チラッと。


　そうしたら。
　浮かべている、少し意地悪な笑みを。



　どうしてだろう。

　今日の一輝くん。
　意地悪だ、かなり。


　いつもと違う一輝くんの一面。


「だったら教えて、結菜ちゃん」


　すべては計算。
　一輝くんの。


　どう思っているのか。
　私が一輝くんのことを。

　それを言わせる。
　そのための。



　わかっている、もう。


　だけど。

　嫌なの。

　離れていってしまう。
　一輝くんが。
　私のところから。

　そんなことは。
　嫌、絶対に。





　だから。


「……好き……だから……」


　今の本当の気持ち。


「私は一輝くんのことが好き」


　私の想いを一輝くんに。