「なんで?」


 え?


「なんで僕が他の女の子と一緒にいると
 結菜ちゃんは泣いてしまうの?」


 えぇぇ~っ⁉


 一輝くんっ⁉

 なんで君はっ‼


「ねぇ、結菜ちゃん」


 一輝くんっ。
 いくらなんでも鈍過ぎるのでは⁉


「教えて、結菜ちゃん」


 ん?


 おかしい、何かが。







 もしかしてっ。

 この展開っ。



 もしかするとっ。


 わ~ざ~と~かぁ~っっ‼





 だって‼

 さっきから一輝くんっ。


 声のトーンがっ。

 ものすごく甘いんですけどっ‼



 ということはっ‼

 これって一輝くんの計算だったりする~っっ⁉


 どう思っているのか。
 私が一輝くんのことを。

 それを聞き出すための。



「ねぇ、
 教えて、結菜ちゃん」


 計算、一輝くんの。

 そうだとすれば。


「これ以上は教えない‼」


 乗るものですかっ、絶対にっ。
 一輝くんの手にっ。