「……なんで」
しよう、我慢を。
一輝くんに何かを言うこと。
そう思っていた。
だけど。
きてしまった、らしい。
限界が。
「なんで一輝くんに
そこまで言われなくては
いけないの?」
だから。
開いた、口を。
ついに。
「結菜ちゃん?」
一輝くんはキョトンとしている。
それでも。
続ける、言葉を。
「一輝くんは
私の……彼氏……
じゃないでしょ」
言ってしまった。
なんて言うのだろう、一輝くんは。
待つ、ドキドキしながら。
一輝くんが何を言うのかを。
何を考えているのか、一輝くんが。
気になる、そのことが。
だから思った、判断しようと。
一輝くんの表情で。
だけど。
わからない、全く。
流れる、妙な沈黙が。
私と一輝くんの間に。
長い。
感じる、とても長く。
その沈黙が。
本当は。
それほど時間は経っていないはず。
だけど。
感じる、私の中では。
とても長く。
何か言ってよ、早く。
一輝くん。
そんな気持ちでいっぱいになる。
重苦しい。
本当に本当に重苦しい。
耐えられない、この重苦しい空気。
されたい、解放。
少しでも早く。
そう思った。