カーテンの隙間から漏れ出してくる光が、私の瞳孔を刺激する。
真っ暗な静けさを孕んだ部屋に、一筋の光の道が短く伸びて壁に突きあたる。
起きあがろうと体を動かすたびに軋むベッド。朝は憂鬱でしかない。本当に不愉快だ。
ベッドの上で自分と格闘することおよそ5分。なんとかベッドから起き上がることに成功した私は、おぼつかない足取りのまま洗面所へと向かう。
蛇口の栓を捻ると水が流れ出す。勢いが強すぎたのか、私のパジャマにまで水飛沫が飛びかかってくる。
最悪。朝からテンションが急降下。
両手に水を溜めるが、ポタポタと私の手の隙間から落ちていく水滴。
一滴...また一滴と排水溝へと吸い込まれていく。私の両手から消え去る前に、溜めていた水を顔に勢いよく浴びせる。
「つめたっ」
顔を上げると、洗面台の鏡に映る自分とご対面。水滴が顔に付着したままの覇気のない疲れ切った顔。ぱっちりとした二重の下に、うっすらと浮かび上がる黒い跡。
「不健康そうな顔してるや」
近くにあったフェイスタオルで、撫でるように顔を拭く。ほんのりと香る花の香りを纏ったタオルに顔をうずめる。
どの種類の花の匂いかは、わからないがいい匂い。
洗濯機の上に置いておいた携帯に触れると、画面が光り出す。今日は、7月13日。金曜日。
「今日で1年か・・・」
7月13日は、私が人生で1番絶望した日。そして、未来への希望の扉が閉ざされた日。
忘れもしない1年前の今日。確か、あの日は雲ひとつない綺麗すぎる空に、一直線に伸びる飛行機雲だけが空という大きなキャンバスを彩っていたんだ。
私の心とは裏腹に、澄み渡った綺麗な空だった。
真っ暗な静けさを孕んだ部屋に、一筋の光の道が短く伸びて壁に突きあたる。
起きあがろうと体を動かすたびに軋むベッド。朝は憂鬱でしかない。本当に不愉快だ。
ベッドの上で自分と格闘することおよそ5分。なんとかベッドから起き上がることに成功した私は、おぼつかない足取りのまま洗面所へと向かう。
蛇口の栓を捻ると水が流れ出す。勢いが強すぎたのか、私のパジャマにまで水飛沫が飛びかかってくる。
最悪。朝からテンションが急降下。
両手に水を溜めるが、ポタポタと私の手の隙間から落ちていく水滴。
一滴...また一滴と排水溝へと吸い込まれていく。私の両手から消え去る前に、溜めていた水を顔に勢いよく浴びせる。
「つめたっ」
顔を上げると、洗面台の鏡に映る自分とご対面。水滴が顔に付着したままの覇気のない疲れ切った顔。ぱっちりとした二重の下に、うっすらと浮かび上がる黒い跡。
「不健康そうな顔してるや」
近くにあったフェイスタオルで、撫でるように顔を拭く。ほんのりと香る花の香りを纏ったタオルに顔をうずめる。
どの種類の花の匂いかは、わからないがいい匂い。
洗濯機の上に置いておいた携帯に触れると、画面が光り出す。今日は、7月13日。金曜日。
「今日で1年か・・・」
7月13日は、私が人生で1番絶望した日。そして、未来への希望の扉が閉ざされた日。
忘れもしない1年前の今日。確か、あの日は雲ひとつない綺麗すぎる空に、一直線に伸びる飛行機雲だけが空という大きなキャンバスを彩っていたんだ。
私の心とは裏腹に、澄み渡った綺麗な空だった。