飛びたい。

 あの青く澄んだ澱みのない大空へと、私は飛んで行きたい。

 どこまでもどこまでも続いている空の先には、一体何があるのか。

 他国に住む人? 金銀財宝? 

 そんなちっぽけな夢なんて、私には心底どうでもいい。

 どうやったら人は、私たちの頭上に浮かぶ青白い『海』を飛べるのだろうか?
 
 私の叶えたい夢はこれだけ。達成することができたら、私は死んでしまってもいいんだ。

 どうせ、到底叶うことのない夢でしかないのだから。